失語症のリハビリを拒否してしまう時の対処はあるの?

失語症の家族へ

こんにちは。
ながとです。


脳卒中を発症して、脳の言語野が破壊されたら「失語症」という障害が現れます。

失語症とは
①相手が何を言っているのか分からない
②言いたい言葉が出てこない
③書いてある文字の意味が分からない
④漢字や平仮名が書けない
⑤計算が出来なくなった
の能力が、病気によって障害されてしまう事です。

後天性の障害で、精神的なショック等でいきなり言葉が話せなくなる事ではありません。

分かりやすく説明しますね。
例えば、知らない国に行ったとします。

貴方は日本語で道を尋ねます。
しかし、その国の人からしたら、あなたが何を言っているのか分からず、お互い全く伝わらないですよね。

まさに失語症とは、その状態が毎日続いていくのです。

つい昨日までぺらぺらと話していたのに、病気の影響で失語症が出現する事は、当事者以外は想像がしにくく、当事者の悲しみや絶望ははかりしれません。


言語聴覚士(以下ST)の仕事の1つで「失語症のリハビリ」があります。


多くの方がSTと一緒にリハビリに励みます。
しかし、失語症のリハビリを、本人が拒否してしまう事も少なくはありません。


特に、病院を退院後にリハビリを拒否して、外出もしなくなってしまう方も少なくありません。
その時、家族はどうしたらいいでしょうか。


今回は、リハビリを拒否してしまう当事者と家族に関するお話をしていきます。

退院後、失語症の家族とどうやってコミュニケ―ションをとればいいの?という悩みを持つ方はこちら
失語症のコミュニケーションで家族が出来る事や注意点
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失語症のリハビリを拒否。家族に出来る事はあるの?

病院を退院後の失語症リハビリで拒否があった場合、考えられる事は主に2つあります。

①入院の時に行ったリハビリが辛くてもうしたくない
②まだ失語症である自分を受け入れたくない

です。


①に関しては、入院の時は毎日リハビリが実施されています。
重症度によっては、失語症の評価の時点で拒否をする事があります。


自分が置かれている状況を理解する前に、リハビリを行う場合もあります。
その為、退院後も「また入院の時と同じような事をやらされるんだ」という不快な気持ちが強く出てしまい、退院後のリハビリを拒否してしまうのです。


②に関しても上記の内容に似ていて、失語症である自分と向き合っても、まだ受け入れられない・・・という心理状態の場合も、リハビリの拒否率は高いです。


では、当事者がそんな心理状態の中で、家族が「リハビリやらないと治らないよ!(通所リハビリ等に)行こうよ!」と無理矢理リハビリを行わせようとする行為はが逆効果です。


当事者が「よくなりたい!」という心理状態でないと、ST側もリハビリを行う事なんて出来ません。
むしろ、STと当事者の信頼関係が構築しづらくなります。
リハビリを行う為には、セラピストと当事者の信頼関係が大きくかかわってきます。


失語症の方は、言葉のコミュニケーションがとりにくいというハンデを背負っています。
外出した先で、知り合いに会いたくない・知り合いに自分の状態を知られなくない・恥ずかしい等の理由で、中々外に出たがらない方も少なくありません。


そんな状態で「リハビリをしてほしい!」という家族の気持ちだけで無理に外に連れ出したらどうでしょうか?
くどいようですが、まずは当事者が、「リハビリを受けよう」という気持ちになってもらう必要があります。

リハビリ拒否に対しての対処は?

リハビリ拒否に対しての対処の案を話していきますね。

あくまでも提案なので、具体的な相談はケアマネさんがいる場合は、ケアマネさんに。
いない場合は、市役所の福祉課に相談する事をおススメします。

退院後に自宅に帰った後、介護保険を利用する事が出来る場合、失語症のリハビリを出来る施設は、STがいる前提になりますが、①通所リハビリ、②通所介護、③訪問リハビリがあります。


外出をしたくない場合は、通所リハビリよりも「訪問リハビリ」を検討するもの手です。


自分の住み慣れた家だと落ち着く場合もあるので、まずはSTに訪問してもらいましょう。
実際に、家族支援だけ行う事を目的に、自宅に訪問しているケースもあります。


訪問STがいるかどうか、介入が可能かどうかケアマネさんに相談してみてください。

脳梗塞後の失語症は治るの?

リハビリ拒否が続く中で、だんだん日数が過ぎていくと、家族は「このままで本当に治るのかしら」と思うかもしれません。


失語症は病前の様に治るとのかと聞かれたら、答えは「NO」に近いです。
NOに近いというのは、色々な環境要因が絡んでくる為です。


発症年齢が若い方が改善はしやすいですし、重症度も関係していきます。
そして「本人のリハビリに対するやる気」も関係してきます。


でも、どんなに重度の方でもリハビリを行う事で、改善はします。
※完治ではないですよ。症状の改善です。


私も発症から何年も経過している失語症の方々を見てきていますが、症状がゆっくりと改善していく方が多いです。
皆さんに共通する事は、リハビリに対して前向きに取り組んでいる事です。


リハビリをする事で、失語症は改善する事は大いに可能です。

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まとめ

今回は、失語症のリハビリを拒否してしまう当事者に対して、家族が出来る事を話しました。


失語症は、私達が思っている以上に辛い障害です。
毎日知らない国で一生懸命話そうとする状態です。


そんな中で、「リハビリしないと!」と家族の気持ちだけが先走ってしまうと、当事者のリハビリに対する想いがどんどん薄れていってしまうように感じます。
(実際いるんです・・・)


失語症のリハビリをすれば、するだけ時間をかけて良くはなります。
でもその為には、当事者の気持ちが重要になって来ます。


もしも拒否が強い場合は、ケアマネさんに相談してみてください。
訪問STがいたら、訪問STを入れるか検討してみてください。


少しでも、当事者の方にとって良い方向に向かいますように。


それでは。
以上です。

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