こんにちは。
ながとです。
よく後輩STにこんな事を聞かれます。
「訪問リハビリは、何年経験を積めば行けるんですか?」
この質問をもらう度に私は「う~ん・・・」と唸るんですよ。
この質問を貰った後に、後輩に聞くんです。
「その経験は病院STでの経験?それとも生活期STでも経験?」と。
そう聞くと、たいていは「病院勤務での経験」と答えるんですが・・・それは少し違うかなと思います。
今回は、「訪問リハビリは何年経験を重ねたら務める事が出来るのか?」のお話をしていきますね
目次(読みたい項目に飛ぶ事も出来ます)
訪問リハビリは何年目から勤務できる?
いきなりですが、あなたに質問です。
訪問リハビリって敷居が高いと思いますか?
よく誰かが言うには「経験3年以上」や「なるべく経験者の方」みたいな事を言うと思います。
そういう話を耳にすると、
「ああ。3年以上経験積まないといけないんだ」や「自分は経験者だけど、訪問の事業所に求められるレベルじゃないんだ」と思ってしまうかもしれません。
確かに、訪問リハビリの仕事は1人で自宅までお伺いして、対応をしなくてはいけないので、経験者を好むのは致し方がないのかなと思います。
でも、最近は訪問リハビリの事業所も増えていますし、全部の事業所が●年以上の経験者を必要としていません。
まだST歴が浅い若造が言うのもどうかなと思いますが、日々訪問リハビリに従事しているので言わせていただきます。
「ST何年目でも訪問の仕事をしていいんじゃない?」と思っています。
もっとかみ砕くと、「訪問の仕事がしたいと思ったら、ST何年目だろうが訪問リハビリに来ていい」とですら思っています。
訪問STリハビリって、「ST何年目以上でないとダメです」よりも「訪問STの仕事がしたい!」という気持ちがあれば務まる・・・と思っています。
生活期STとしてずっと1年目から働いていますが、家族とのやり取り・ケアマネさんへ営業・チームで連携する難しさ・楽しさ等々、日々勉強してきましたが、生活期という分野は私にとってはとても楽しいです。
私が訪問リハビリに転職をしたのも、「訪問でSTリハビリやってみたい。自宅でSTリハビリを必要としている方々の力になりたい」というこのたった一つの動機がきっかけです。
「まだ●年目だしな・・・早いかな。」や「一度回復期病院で経験を積んだ方が・・・」は(すこしだけありましたが、すぐに捨てました(笑))無視して、訪問STの世界に足を踏み入れたんですね。
経験よりも、訪問に行きたい!という私ですが、しっかり業務は行っています。
経験年数よりもやっぱり「訪問リハビリに行きたい!」という気持ちは大切かなと思います。
病院で経験を積めば訪問へ行けるのか?―答えはNO?
上記の記事は、経験が何年必要と言うよりも、訪問に行きたい気持ちがあれば務まる事は出来る!という内容でした。
訪問リハビリで働きたいという気持ちが大事です。
しかしながら、現実では「STとしての経験」も必要にはなって来ます。
色々な事業所の訪問STさんと話をしていると、皆さんの多くは急性期・回復期病院を経て、訪問業務に従事している方が多いです。
この記事を読んでいるあなたも、病院で経験を積んでいると思います。
しかし、病院経験者の訪問リハビリ従事者のみなさんが口々に言うのは、「病院のSTリハビリと訪問STリハビリは違う」事です。
病院でのSTリハビリは、言語機能や摂食・嚥下機能にダイレクトにアプローチをかけますよね。
ICFで言えば、心身機能・構造にアプローチをかける事が多いですよね。
しかし、訪問リハビリ(だけではなく生活期リハビリ全般に言えますが)では、心身機能・構造だけでにアプローチをかけるわけではありません。
「参加・活動」にもアプローチをかけていかないといけません。
利用者さんによっては、参加・活動>>心身機能・構造にアプローチをかけないと、生活が成り立たない事もあります。
心身機能と、活動・参加のどちらに配分を持っていくかが、がとても難しいと私も感じています。
上記で書いた「病院のSTリハビリと訪問STリハビリは違う」という発言は「機能訓練だけではなく、参加・活動も考えないといけない。でも参加・活動だけ考えるのではない」に言い換える事が出来る・・・と私は思います。
訪問リハビリに必要な知識とは?
ここまでで、訪問リハビリに行きたい気持ちと、参加・活動にもアプローチをかけていかないといけない事を話してきました。
最後に、訪問リハビリ・・・いえ、生活期ST全般に大切な知識の話をしていきます。
大切な知識、それは「横との信頼関係」です。
横との信頼関係は、ST同士ではありませんよ。
ケアマネさんをはじめとする、利用者さんに関係する職種との信頼関係です。
訪問リハビリで働くと、毎日と言っていいほど、何かしら利用者さんの情報交換を行います。
ここでスムーズに情報交換するには、横との信頼関係が重要です。
リハビリ職だから、国家資格職だから!先生と呼ばれるから!とそんな気持ちでいると、横との信頼関係は生まれません。
(実際にいるんです。こういうセラピストが・・・。あなたはそうじゃないと信じてます)
情報交換がスムーズにいかないどころか、訪問の仕事も回ってこなくなってきます。
ここの記事でも書いてますが、訪問リハビリの仕事はケアマネさんありきです。
信頼関係が強くなれば強くなるほど、訪問の仕事がスムーズに行えます。
まとめ
今回は、訪問リハビリに経験年数はどれくらい必要かの話でした。
一番言いたい事は、一番最初に書いた事と変わりません。
訪問リハビリに行きたいと思ったら、経験年数が浅くても来てみてください。
最初の一歩は勇気がいりますが、訪問リハビリの世界はあなたが思っている以上に楽しく、奥が深く、面白い仕事です。
訪問STが一人でも増える事を願っています。
それでは。
以上です。
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