生活期の嚥下の評価方法・リハビリ・支援

訪問リハビリの仕事

こんにちは。
ながとです。


生活期では、嚥下障害の利用者さんのリハビリや家族支援を行う機会が多いです。
脳卒中由来の嚥下障害の方もいれば、加齢と共に機能が落ちてくることによる嚥下障害と、様々な原因で嚥下が難しくなった利用者さんに対して評価・リハビリ・支援を行います。

嚥下とは。
食べ物や飲み物を「ごっくん」と飲み込みますよね。
この飲み込む事を、専門用語で「嚥下」といいます。
嚥下機能が落ちているという事は、飲み込む力が落ちてしまっている事を言います。

今回は、私が現在訪問で行っている「嚥下障害の評価・訓練・家族支援」の話を中心にしていきます。

生活期の嚥下の評価方法・リハビリ・支援

嚥下の評価から話していきます。
嚥下の評価をする前に、バイタルを測定します。
その際、サチュレーション(Spo2/経皮的動脈血酸素飽和度)が何%か、呼吸状態がどうなっているかを確認しておきます。

Spo2/酸素飽和度は、健常者で96%~99%です。
高齢者でも、90%以上は保っている必要があります。
嚥下評価の前にSpo2が90%以下の場合は評価を中止した方がいいです。

バイタル測定後に、嚥下の評価を実施します。
嚥下機能の評価は、病院で行っているものと同じです。
覚醒しているかどうか、口腔内の評価はもちろん行います。


食べ物を使わない評価を行ってから、病院では、ドクターに食べ物や水分を使った評価をしていいかの判断や相談をすると思います。


しかし、生活期の場合は違います。(私だけの考えだったらごめんなさい)
口腔期の観察して、バイタルも安定している場合は、その場で食べ物や水分を使った検査を行います。


それはどうしてでしょうか。


病院では、食事を食べる事が難しいと判断した場合は、「絶食」という形で食事を一時的に止める事が出来ます。
時間をかけて評価を行ったり。レントゲンや内視鏡を使って、どのように飲み込めているか確認した後に、食事を再開する事が出来ます。


さあ訪問の場合ではどうでしょうか?
家で食べ物を使わない評価を行うが、食べ物を使っての評価をしないまま「では来週まで何も食べないでください」


なんて事言えますか?
言えないですよね。


ここが訪問と病院の違うところです。
訪問ではバイタルや全身状態を確認した状態で、食べ物を使わない評価も食べ物を使う評価も、両方行います。
そして、評価した内容を簡単に家族に説明していかなければいけません。


そうですよね。
リハビリが終わった後は、家族での食事が待っていますからね。


訪問リハビリ内での嚥下評価は、その場での評価と対応策を同時に考えないといけません。


また、訪問STが確認する評価は他にもあります。

・フィジカルアセスメント(身体全体)
・(ベッドサイドで評価の場合)ベッドの角度
・(車椅子座位で食事の場合)車椅子に座った時の姿勢・ポジショニング
・食事動作(自力なのか?介助なのか?)
・現在の食事形態

これらの情報収集や評価を、その場で40分のリハビリ時間内で行います。

生活期の嚥下リハビリテーションでは、自主トレが左右する

生活期の嚥下リハビリテーションです。
基本的に行っている事は、病院での嚥下障害に対するアプローチと大きく変わりません。


しかし大きく違う事は、自主トレーニングをどこまで出来るかを見極める事です。
訪問リハビリは週3回以上介入する事が出来ません。


訪問リハビリがない場合では、家族の協力で自主トレーイングを行う事と、本人の「食べたい」という意欲と頑張りが、今後の嚥下機能を左右します。

いきなり自主練習をたくさん出しても、家族やご本人様は混乱してしまいます。
慣れないことを行わせていますからね。

私は、自主トレーニングは家族も本人も負担がかからない簡単なものから、1つずつ出していきます。
家族や本人が慣れてきたら、どんどん増やしていきます。

家で行っている自主トレーニングがしっかり定着しているか、訪問時に確認します。

嚥下リハビリ内で食べ物を使用する場合は、利用者さんの主治医・ケアマネージャーさんに必ず報告します。


ST1人で嚥下リハビリを進めてしまって、何かあった場合どうしますか?
嚥下リハビリを行う際は、訪問リハビリでも主治医に根回しはしておきましょう。


主治医と同時に、担当のケアマネ―ジャーさんにも必ず報告します。
利用者さんを取り巻く環境で、TOPはケアマネージャーさんです。

嚥下評価やリハビリ開始・自主トレーニングの提案をした後に、電話ですぐに様子を報告します。
また、電話だけでなく書面にも評価のまとめを作成してFAXで送ると情報が共有しやすいのでおススメです。

家族支援に関しては、食事形態が調理しずらい料理がある時に、食事カタログを出して提案をする事もあります。
飲み込みやすくする為のトロミ剤の提案や、お手軽な調理方法なども伝える事があります。

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食事形態に関しては病院に確認すべし!

生活期では、病院で入院していた時の情報を確認する必要があります。
病院で、どういう嚥下リハビリを行っていたかを確認する事が大切です。


その他に大切な事を確認します。
それは、病院でどんな食事形態で食べていたかです。


食事形態に関しては、病院で独自で決めているところもあります。
嚥下リハビリテーション学会が推進している「嚥下食分類2013」ではない、病院独自の食事形態を提供している病院もあります。


なので、送られてくる報告書を見て、食事形態がどんな物かわからない場合は、病院に連絡をする必要があります。

病院に連絡したら、時間帯によってはちょっと声色が変わる事もありますが、そこはぐっとこらえましょう。
嚥下食の確認をするのは、「誰のため」か。

まとめ。「食べる事」は生きる上で大切な欲求だ!

今回は、生活期の「嚥下機能」に関する評価・リハビリ・支援の話を、訪問を例にお話ししました。

・基本的な嚥下機能の評価(食べ物を使う評価も含む)
・全身状態や、姿勢、食事動作も見る
・嚥下リハビリでは自主トレーニングを少しずつ取り入れる
・嚥下リハビリを開始する時は、ケアマネージャーや主治医に根回し
・病院でどんな食事形態だったか確認をする

ざっとまとめてもこんなにあります。
「嚥下」は命に関わる事なので細かな支援が必要になってきます。


「食べる事」は生きる上で大切な生理的な欲求ですよね。
病院を退院して、普段生活している家でご飯を食べられるって、とても幸せな事なのです。

最後に私の経験談です。

病院では重度の嚥下障害と判断されて、食事もペースト状で退院した利用者さんがいました。
※ペースト→ミキサーでドロドロにした食べ物

住み慣れた家に帰ってこれて安心したのか、体力がどんどん回復して、私が介入してからすぐに舌で押しつぶせるくらいの食べ物にUPしました。
もちろん自主練習にもしっかり取り組まれています。
ケアマネさんを始め、この方が関わっている事業所すべてに情報の共有をしています。

家族も本人もすごく嬉しそうに「家で食べれるって本当に幸せだ」と話しています。
生活期STをやっていてよかったなと感じる瞬間ですね。

それでは。
以上です。

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