家で過ごす失語症の利用者さんのコミュニケーションノートの作り方。

訪問STの仕事ってこんな感じ

こんにちは。


訪問リハビリ未経験だと、
失語症の利用者さんとのリハビリって
どんな感じなんだろうって思いますよね。


この話を読むとなんとなくイメージ湧くかな→訪問の言語聴覚士が行う失語症のリハビリをざっくり書く


訪問リハビリの仕事をしていると、
在宅で生活している失語症の方が多くいらっしゃいます。


軽度の失語症の方から、
重度の失語症の方まで様々です。


ここで悩むのが、
重度の失語症の方とその家族のコミュニケーションの取り方です。


重度の失語症の方とその家族が、
うまくコミュニケーションを取るためには、
「コミュニケーションノート」が必須になっていきます。


しかし・・・
私の経験上のみで申し訳ないのですが、
このコミュニケーションノートを実際に日常生活で使用している人は少なく、
実際に使用している人を見たのは1人だけです。


コミュニケーションノートがあると、
失語症の人と家族の距離がぐっと縮まりますし、
家族だけでな他に利用している事業所の関係者と失語症の方との距離も近づきます。


今回は、
訪問リハビリの中で重度の失語症の人に対して、
失語症のコミュニケーションノートを作って、
実際に使用してもらっている方で実施した事を話していきますね!




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失語症のコミュニケーションノートは、いつ誰の為に使うの?

タイトル通りなのですが、
失語症のコミュニケーションノートを使うのは誰でしょうか?
もちろん利用者さんよね。


では、
コミュニケーションノートはいつ使いますかね?


日常生活の中で、
利用者さんが必要だと思った瞬間ですよね。


いつ何時使うのかは、
言語聴覚士側では決められないんですよね。
失語症の方と家族が「今!使うぞ!」という時に使いますね。


失語症のコミュニケーションノートは、
在宅で作っているだけでなくて、
回復期病院で作っているSTも多いです。


ですが・・・ぶっちゃけ、
回復期病院で使っていたコミュニケーションノートは、
病棟生活に必要な情報は作られています。


例えば、

担当セラピストの名前と顔写真
病室のベッドやトイレの写真
訓練室の場所の写真や食事の絵

なんかですね。


ですが、
失語症の方が退院してからもノートがご自宅にある事が多いのですが、
そのノートは在宅生活では使えると思いますか?


う~ん。
正直に言いますが、
病院時代のそのままのノートを使用している人はいませんし、
入院記念って感じで置かれているくらいなんですよね。


もちろん、
病棟で使う分には申し分ないコミュニケーションノートなんですね。


ですが、
退院後に家に戻って来たら、
病棟のトイレのページは・・・使わないですよね。


パソコンやスマホの情報がアップデートされるのと同じように、
失語症のコミュニケーションノートも、
病院から在宅にアップデートをしないといけないですよね。


利用者さんの生活をよりよくするために、
コミュニケーションノートが必要な人には提供していく事が大切です。




どうやって失語症のコミュニケーションノートを作ろう?

では、
在宅生活で「本当に使える」失語症のコミュニケーションノートは
どうやって作っていきましょうか。


私も実際に作ってきて感じている事があります。
それは、コミュニケーションノートは「言語聴覚士」だけでは作れない事です。


私も最初は一人で作ってみたものを提供して、
ノートが機能するかどうかチェックしていましたが、
どうしても・・・何かが足りないんですよね。


家族や利用者さんを知らないだれかが、
コミュニケーションノートを使って会話するとき、
何が必要なのか?


何が必要なのかを確認するためにも、
家族に聴取することにしました。

①普段の生活
②趣味・好きだったこと
③よく見るテレビ番組
④普段どこで寝るのか

等、ありとあらゆる情報をどんどん聞いていきました。
他にも行ったことがあります。

①利用している施設ではどんなページがあるとコミュニケーションが取れるのか?
②どのような情報がノートにあるとコミュニケーションが取れるのか?
③今利用者さんと会話で何が困っているか・どんな時に困っているか?

を細かく聞いていきました。
ちょうどサービス担当者会議があったので、
コミュニケーションノートの事を話して情報を共有すると同時に、
全員の前で情報を収集しました。


情報を集めていくと、
施設など事業所が必要なコミュニケーションノートの内容と、
家で必要なコミュニケーションノートの内容、
STが必要なコミュニケーションノートの内容が微妙に違っていくですね。


事業所やST側で必要な内容は、
プライベートな事が多いです。
家族ではYes/Noの2択で答えられるような質問内容が多いです。


コミュニケーションノートを使用するすべての人に使えるような内容を作っていきます。


失語症のコミュニケーションノートは関係者全員で作っていく!

情報を集めたら、
ノートを作っていきますよ!


私はノートを作る時は、
イラストよりも写真を使います。
その方がよりイメージがしやすい。


好きな食べ物の写真なら一番美味しそうなフリー素材の写真を使ったり、
ベッドやお風呂は失語症の方が使っている実際のものを写真に撮って、
ノートに使ったりしています。


写真だけでなく名称を載せれば、
コミュニケーション用だけでなくリハビリの練習ノートにもなります♪


全員が欲しい情報を1冊にまとめることで、
「利用者さんとコミュニケーションが取れる」ノートが完成するのです!


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失語症のコミュニケーションノートについて まとめ

今回は、
失語症のコミュニケーションノートについての話でした。


在宅に住んでいる失語症の方に、
一人でも多くこのノートを活用してもらえたら嬉しいです。


ノートがあるだけでも、
失語症の方のコミュニケーションの世界は広がります。


私も含めて言語聴覚士の皆さんで、
失語症の方の為のコミュニケーションノートを作っていきましょう♪


訪問STの訪問リハビリの雰囲気はこんな感じ→訪問の言語聴覚士が行う失語症のリハビリをざっくり書く【仕事内容】


訪問STにちょっとだけ興味があったらこんな話もどうぞ→言語聴覚士が何年働けば訪問リハビリに行けるのかを語る。


おしまい

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